先日、電車で小説を読んでいたら、急に左足に何かがぶつかったんです。なんだろうと思って顔を上げたら、左隣の席が空いたから走ってきたみたいです。可愛らしい男の子がいました。すぐにお母さんも来て、彼はお母さんの膝にちょんって乗りました。3歳くらいでしょうか。「外国のお人形さんみたいだからハーフなんだな」なんて考えながら、また本に視線を戻しました。すると、隣から会話が聞こえきました。彼は顔だけ見ていると、英語やフランス語か……とにかく、外国語を話すイメージです。でも、全くの日本語でした。そして、聞いていたら、彼の質問が興味深くて、お母さんは何て答えるのかなって思わず耳を澄ませてしまいました。お友達か誰かの話をしているんだけど、「○○くんに会えるかな」って話すお母さんに対しての質問が本当に可愛いかったんです。「○○くんは、おんなのこ?」「くん、だから男の子だよ」「○○くんは、なにちょうさん?」って聞いてたんです?女の子か男の子かという質問をしてるから、彼が会ったことのない子のお話なんだなって、それはわかったんだけど、「なにちょうさん?」とは?って思っていたら、お母さんの答えを聞いて納得しました。「年中さんだったかな?」って。幼稚園って、年少、年中、年長って年齢によって分かれていますものね。次の会話は「ねんちょうさんの次はなぁに?」「次は小学校だよ」でした。そこまで聞いていて、私は自分が手元の小説を読んでいないことに気づいたんです。耳も意識も二人の会話にしっかり向いてしまっていました。そして、気づけばもう乗り換えの駅でした。でも、楽しい時間でした。