電車に乗っている人を見ていると、色んな人がいますよね。何をしているのかなっていう気持ちで眺めていることが多いです。スマホやタブレットを操作している人、本を読んでいる人、喋っている人、眠っている人、音楽をイヤホンで聞いている人。もちろん、何もしないでただ乗っている人や車窓の景色を見ている人もいます。そう考えると、みんなそれぞれで、時間を有効に使っている人も多いですよね。私はというと、やっぱり本を読むことが多いです。ただ、座れた時に限りますけどね。先日は運よく座れたから小説の続きを読み始めました。しばらくした時にふと隣の女性がなんとなくこっちに寄ってくるなってことに気づいたんです。けど、そんなに気にも留めないでそのまま本に目を向けていました。そしたら、だんだん腕に重みを感じるようになったんです。そうです、隣の女性は寝ていました。電車の揺れに合わせてこっちにもたれては、また戻るのを繰り返していました。けど、そのうち、なんかどっぷり私にもたれてきました。だって、重たかったんですもの。でも、こういう時って、声はかけづらいですよね。黙って耐えてしまいます。電車が思いっきり揺れた時に、ハッと思ったみたいで真っ直ぐに姿勢を戻していました。
「わかります、わかりますよ。電車の揺れが気持ちいいのは。私だって睡魔に襲われることがありますもの。けど、ちょっとだけご注意ください」その時そんな風に思っていました。そして、またもうすぐまたこっちに倒れて来そうな気配を感じながら、私は本を読みました。